作品に触れた感想なんて十人十色どころか二人二色くらいに違っているものだ。さらに時が経てば過去の私と未来の私でも感想が違うことだってあるだろう。それに、私が絶賛してもあなたは気に入らない作品もあるだろうし、その逆もきっとある。私の価値観を押し付けたとしても納得するのは私だけだ。そんな傲慢なことはしない。だから私がある作品を書評したところで誰のためにもならないし、あなたが気を悪くすることもあるだろう。
だからあくまでも私は紹介する。この場所に来て読み感じてあなたが書店や図書館に行きたいと思えたならそれは私の本望であり、これ以上はない。
ここで紹介する事柄は
・作品の受賞歴や作品の出来た背景
・作品の大雑把なあらすじやコラム
・作品に対する私の稚拙な感想
・そしてそのいずれにも決して物語の核心に触れるネタバレを含まない
今この文章をアウトプットしているのは12.14.2013である。もともとこのページのタイトルは『テスト』であり、本文は「テスト投稿」のみだった。とはいえこの時点で『華氏451度』『十角館の殺人』『新世界より』『一九八四年』ともうすでに4冊紹介しており、次回予告の『know』も9割方完成しているしタイトルが決まっており現在書いている紹介もあと10冊分くらいある(実は一番時間を使うのは写真なのだ)。それに、せっかく最初の投稿がほとんど白紙であるし、この機会にここできちんとこの場所の紹介をしておくべきだろう、と思ったわけだ。
もしあなたが私にリクエストがあれば、そして私がそれを読んだことがあるなら――あるいはなくても読む候補にいれるだろう――この場所に記したいと思っている。私が読んだ本の目安としてはPCから閲覧すると右側に表示されるブクログのリンクを参照されたい(読書メーターではない)。読んだ冊数は決して多くないが私は本が好きだ。本が好きなあなたならこの言葉だけで分かり合えると思う。あなたが読んだことのない本をこの場所で発掘してほしい。
とはいえこの場所は本が好きな方だけのものでは決してない。ふだん本を読まないあなたにも目を通してほしい。そして本を手に取ってもらえるだけでも、それだけで私は嬉しい。
最後に、この場所を開設するにあたって影響を受けた本がある。今は亡き伊藤計劃氏の『Running Pictures』、『Cinematrix』(共にハヤカワ文庫JA/2013年)だ。この本は氏のネットに記した映画の時評が多数載っており、映画好きのあなたには是非手に取っていただきたい。あくまで影響を受けただけなので同じようにとはいかないが氏が映画を紹介したように私も私なりに小説を紹介したい。この『Running Pictures』の「About the Contents」で氏は「面白い映画を面白かった、という。このページでいろいろ書いていることは結局こういうことだ。/ぼくが好きな映画の感動を、あなたにも分かってほしい。」 と記している。長々とキーボードを打っているがとどのつまり私だってこの文中の「映画」を「小説」に言い換えたらそれが私の云いたいことと一致する。云いたいことが伊藤計劃氏の引用という点で私の浅はかさが露呈したところでこのあたりで結ぶことにする。
こっそりでもこの場所を見てくれたあなたが最高の一冊に巡り合うことを祈って。
toNa.