2013年12月29日日曜日

野﨑まど『know』

野﨑まど『know』(ハヤカワ文庫JA・2013)

それを知れば世界が変わる――森羅万象を知っていた彼女が知りたかった=誰も知らない唯一のこと。

――《知る》と《生きる》は同じ現象ですよ。

2013年12月11日水曜日

ジョージ・オーウェル『一九八四年』 (George Orwell/1984)

ジョージ・オーウェル『一九八四年』(ハヤカワ文庫/2009[新訳]・訳:高橋和久)
原題『1984 Nineteen Eighty-Four』(1949・英)

オーウェルが半世紀以上前に描いた超監視社会は、いまや現実のものとなっている。

――自由とは、2足す2は4だと言える自由だ。それが認められるなら、他のこともすべて認められる。
(Freedom is the freedom to say that two plus two make four. If that is granted, all else follows.)

2013年12月4日水曜日

貴志祐介『新世界より』

貴志祐介『新世界より』(講談社文庫/2011)
(単行本は2008年、講談社ノベルス版は2009年に刊行)

世界の真実を知りたいという幼少期のあどけない好奇心。それが悲劇と惨劇の引き金となった。

――もちろんそれは、わたしたちの思考そのものが、巧妙に誘導、管理されていた証なのだが。

2013年11月12日火曜日

綾辻行人『十角館の殺人』


綾辻行人『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫/2007年)
(講談社ノベルス版『十角館の殺人』は1987年)

新本格の始まり。国内ミステリの歴史は「十角館」を境に二分される

――ミステリにふさわしいのは、時代遅れと云われようが何だろうがやっぱりね、名探偵、大邸宅、怪しげな住人たち、血みどろの惨劇、不可能犯罪、破天荒なトリック……絵空事で大いにけっこう。要はその世界の中で楽しめればいいのさ。

2013年11月8日金曜日

レイ・ブラッドベリ『華氏451度』 (Ray Bradbury/Fahrenheit 451)

レイ・ブラッドベリ『華氏451度』(ハヤカワ文庫/2008年[新装版]・訳:宇野利泰)
原題『Fahrenheit 451』(1953)

本が禁止された世界で本の魅力を知ってしまった焚書官(ファイアマン)の物語。

――火の色は愉しかった。(It was a pleasure to burn.)

2013年8月18日日曜日

About the Contents

 まず断わっておくことはこの場所は、私が今までに触れた本――主に小説――について紹介する場所である。もう一度云う。あくまで紹介する場所だ。決して書評はしない。
 作品に触れた感想なんて十人十色どころか二人二色くらいに違っているものだ。さらに時が経てば過去の私と未来の私でも感想が違うことだってあるだろう。それに、私が絶賛してもあなたは気に入らない作品もあるだろうし、その逆もきっとある。私の価値観を押し付けたとしても納得するのは私だけだ。そんな傲慢なことはしない。だから私がある作品を書評したところで誰のためにもならないし、あなたが気を悪くすることもあるだろう。
 だからあくまでも私は紹介する。この場所に来て読み感じてあなたが書店や図書館に行きたいと思えたならそれは私の本望であり、これ以上はない。
 ここで紹介する事柄は
・作品の受賞歴や作品の出来た背景
・作品の大雑把なあらすじやコラム
・作品に対する私の稚拙な感想
・そしてそのいずれにも決して物語の核心に触れるネタバレを含まない
 今この文章をアウトプットしているのは12.14.2013である。もともとこのページのタイトルは『テスト』であり、本文は「テスト投稿」のみだった。とはいえこの時点で『華氏451度』『十角館の殺人』『新世界より』『一九八四年』ともうすでに4冊紹介しており、次回予告の『know』も9割方完成しているしタイトルが決まっており現在書いている紹介もあと10冊分くらいある(実は一番時間を使うのは写真なのだ)。それに、せっかく最初の投稿がほとんど白紙であるし、この機会にここできちんとこの場所の紹介をしておくべきだろう、と思ったわけだ。
 もしあなたが私にリクエストがあれば、そして私がそれを読んだことがあるなら――あるいはなくても読む候補にいれるだろう――この場所に記したいと思っている。私が読んだ本の目安としてはPCから閲覧すると右側に表示されるブクログのリンクを参照されたい(読書メーターではない)。読んだ冊数は決して多くないが私は本が好きだ。本が好きなあなたならこの言葉だけで分かり合えると思う。あなたが読んだことのない本をこの場所で発掘してほしい。
 とはいえこの場所は本が好きな方だけのものでは決してない。ふだん本を読まないあなたにも目を通してほしい。そして本を手に取ってもらえるだけでも、それだけで私は嬉しい。
 最後に、この場所を開設するにあたって影響を受けた本がある。今は亡き伊藤計劃氏の『Running Pictures』、『Cinematrix』(共にハヤカワ文庫JA/2013年)だ。この本は氏のネットに記した映画の時評が多数載っており、映画好きのあなたには是非手に取っていただきたい。あくまで影響を受けただけなので同じようにとはいかないが氏が映画を紹介したように私も私なりに小説を紹介したい。この『Running Pictures』の「About the Contents」で氏は「面白い映画を面白かった、という。このページでいろいろ書いていることは結局こういうことだ。/ぼくが好きな映画の感動を、あなたにも分かってほしい。」 と記している。長々とキーボードを打っているがとどのつまり私だってこの文中の「映画」を「小説」に言い換えたらそれが私の云いたいことと一致する。云いたいことが伊藤計劃氏の引用という点で私の浅はかさが露呈したところでこのあたりで結ぶことにする。
 こっそりでもこの場所を見てくれたあなたが最高の一冊に巡り合うことを祈って。
toNa.